毎年10月に入ると、インフルエンザの予防接種が始まりますね。
我が家では先天性心疾患(=生まれつきの心臓病)である三女が、重症化を防ぐためにしっかりと2回接種しています。
私と長女と次女は体質的に合わず、受けていません。
本来インフルエンザ脳症と副反応は天秤にかけるまでもありませんが、受けるたびに大きく体調を崩してしまうのもつらいです。
その代わりに、予防接種以外の対策をしっかりと心掛けています。
手洗い・うがい・マスク・消毒薬・加湿・換気・予防接種・バランスの取れた食生活・睡眠、など
感染症予防、いったい何のためにするものでしょうか。
感染症はウイルスや細菌などの病原体によって引き起こされるものですが、なかなか治らないものや命に関わるものだってあります。
誰のため?と聞かれたら「自分のため」ですが、「周囲のため」でもあるんです。
感染症予防について考える
元夫は感染症予防をしない人だった
元夫は通勤にバスと電車を利用していましたが、感染症予防はせず。
大きく体調を崩して初めてマスクをつける程度でした。
三女が生まれたことで一度は考えを改めたようでしたが、単に病院のルールがそうだったから従っただけのこと。
闘病が落ち着くとすっかり元通りになっていました。
- 長女と次女が体調を崩さなくなったこと
- 三女が普通の生活をできるようになったこと
- 注射は嫌いだし面倒くさい
1日で接触する人数が、私や子どもたちと比べると圧倒的に多いです。
会社の同僚、通勤電車で乗り合わせた人、買い物に立ち寄ったコンビニ、すれ違う人、いくらでもいます。
感染経路は菌によってさまざまですが、空気感染・飛沫感染・接触感染・経口感染に関しては日常生活の中で簡単に起こります。
電車の中で咳してるのにマスクしてない人へ
その行為は内部疾患を抱えるぼくらには、銃を乱射してるのと同じぐらいに感じます。当たらないかも知れないけど、当たってしまったら命取られるかも知れない恐怖。マスク1枚するだけで、感染症をばらまく確率はかなり低くなるそうです。#見えない障害— 📭TAKERU/TK2/YUU (@Takeru_FTX) 2017年10月16日
内部障害など持病のある人がいたら?
抵抗力の弱い乳幼児や高齢者がいたら?
妊娠中の女性がいたら?
何らかの微生物(細菌、ウイルスなど)がお母さんから赤ち ゃんに感染することを「母子感染」と言います。妊娠前から 元々その微生物を持っているお母さん(キャリアと言います) もいれば、妊娠中に感染するお母さんもいます。
「感染したくなければ外出するな!」というのは、とても短絡的な思考ですよね。
外出を控えることは対策のひとつではあるけれど、ハイリスクだとわかった上で必要最低限の外出をしている人たちはたくさんいます。
自己判断の「大丈夫」が、周囲にとっては「大丈夫」じゃない可能性を知っておく必要があります。
無症状のインフルエンザだってあるんですから。
判断を間違った時に、勝手な「大丈夫」がどれだけ迷惑をかける行為なのか。
我が子が障害を持って生まれてきても、まだキチンと考えられないことが本当に腹立たしかったんです。
主な感染症
- B型肝炎ウイルス
- C型肝炎ウイルス
- ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
- 梅毒
- ヒトT細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)
- 風疹ウイルス
- 性器クラミジア
- B群溶血性レンサ球菌(GBS)
- サイトロメガロウイルス
- トキソプラズマ症
「先天性風疹症候群」は、風疹ウイルスの胎内感染により生まれつきの病気になる感染症です。
妊娠中インフルエンザに罹患した時のこと
私は過去に一度、元夫からインフルエンザをうつされています。
稽留流産。
わかってから処置までに8日間、命のない子をおなかに抱えて過ごす寂しさと悲しみは、私の中にある死にたい気持ちを日々大きくしていった。予防接種をすることもなく、マスクもせず、病院にもかからず、私にインフルエンザをうつした夫を許すこともできない。そもそも妊娠自体が夫から強引に受けた行為の果て。
私はいくらでも絶望できた。
妊娠5週目のことでした。
産婦人科では「インフルエンザだから処置はできません」と言われ、内科では「妊婦さんだから薬は出せません」と言われ。
子宮の収縮が日を追うごとに強くなる中で、丸3日続いた40℃近い高熱と割れるような頭痛。
家族が寝静まったあと、フラつく体を引きずりながら水枕を作って階段をよじ登るしんどさ。
子どもたちの寝息を聞きながら、布団にもぐって泣き続ける切なさ。
完全に解熱するまでには5日。
この時のつらさを、元夫には理解してもらえませんでした。
流産とインフルエンザ、どちらか一方でも体はつらいです。
それが同時に我が身にふりかかったことで、心身ともに苦しい時間が長引いてしまったことは間違いありません。
産前産後の恨みは一生と言われますが、そのひとつです。
元夫を許せなかった理由
この時の元夫は、「大丈夫」と言い続けていました。
私が元夫を許せないのは、予防接種を受けなかったからではありません。
- 私が発症する2~3前からの微熱
- 風邪のような症状があったこと
- パートナー(私)が妊娠中だったこと
- 何度受診をうながしても拒否し続けたこと
妊娠がわかった直後から下腹部痛があったので、継続は難しかったのだろうと理解できます。
インフルエンザが原因ではありません。
それでも、元夫に人生を壊された気持ちになりました。
私は人殺しなんだ。
私が自分のことをもっと大切にできていたら、そもそも妊娠すらしなかったんじゃないのか。私が殺したんだ。
私が悪い、私が悪い、私が悪いんだ、許されない。私が自分を人殺しだと思い続けた期間は2年。
おなかの赤ちゃんに何かあった時に自分を責める女性は多いです。
グリーフケアは流産・死産経験者にも行われるようになりました。
極論だとわかっていますがあえて言います。
自分勝手で無責任な行動が、誰かの未来を奪って傷つける可能性があるんです。
命が奪われることや、障害を持って生まれてくること。
すべて「予定調和だよ」と言えますか?
ただの一度も「こんなはずじゃなかった」と思わずに、受け入れて生きられる人はどのくらいいるでしょう。
インフルエンザの予防接種のこと
余談です。
13歳未満の2回接種の場合について、かかりつけの小児科で言われたことがあります。
1回目と2回目の間隔は2~4週間が目安ですが、体調管理が難しい時期なので予定通りにいかないことも多いです。
主治医によると、あまりシビアにならずに「受けられたらラッキー」でいいのだとか。
例えば体調を崩したら受診して、薬を飲み終える頃をめがけて予防接種の予約を入れる。
仮にそこで接種できなければ延期して、次のタイミングを待つのが得策なんだと。
(病院のシステムによって方法は様々なので一例です)
ただ、予防接種はひとつの手段でしかないこと。
大切なのは「手洗いうがいをしっかりすること」とも。
最後にまとめ
家族の誰かが寝込んでしまうと、大変なんです。
小さな子どもであれば看病自体が大変で、親のどちらかであれば家事育児の負担が集中します、両親ともに倒れたらどうしますか?
私がインフルエンザをうつされた時は、この「両親ともに倒れた状態」です。
事情を伝えていたご近所さんが除雪をしてくれて、食料品を買ってくれて、それでどうにか乗り越えたんです。
感染症の大半は不可抗力ですが、最低限の対策を怠っているのなら話になりません。
「見ず知らずの誰かのために」がピンとこないのなら、半径5mほどの小さな小さな範囲で構いませんよね。
みんなが自分の大好きな人たちを守れば、みんなが誰かに守られることになります。
それが環となり繋がれば、間接的に遠い誰かを守ることに。
家族を、友人を、身近な誰かを守りたいと思う気持ちがあれば、本来はそれで十分なんです。
あとはたくさん笑って、免疫力をUPして、おいしいごはんを食べて、ぐっすりと眠る。
元気にひと冬を乗り越えるために、心掛けておきたいことをチェックしてみるといいですね。