子どもの心臓病

キラーストレス|「病気・障害を持っている子ども」の家族が抱えるストレスへの懸念

 

以前、NHKスペシャルで放送された「シリーズ キラーストレス」をご存知でしょうか?

>>>NHKスペシャル「シリーズ キラーストレス」

 

私達が日々感じているストレスは、実は命を脅かしたり、さまざまな病気を引き起こしたり悪化させたりする可能性があります。
では、どのくらいストレスがあると危険なのでしょうか?

「病気・障害を持っている子ども」の家族が抱えるストレスへの懸念

まず、キラーストレスとは。

脳の扁桃体が不安や恐怖を感じると ストレス反応と言われる反応が始まります。 ストレスホルモンが分泌されたり自律神経が興奮したりします。そのために心拍数が増える、血圧が高くなるといった反応が起こります。これがストレス反応です。 一つ一つは小さくても、多くのストレスが重なると、キラーストレスともいうべき危険な状態に陥ります。

NHKスペシャル「シリーズ キラーストレス」第1回内容

 

ライフイベントストレスチェックをしてみよう

下表はライフイベントストレスチェックの一覧表です。
診断される方は、第1回の番組サイトの自動計算チェックシートを利用されるといいですよ。全65項目あります。

 配偶者の死83 引っ越し47
 会社の倒産74 住宅ローン47
 親族の死73 子どもの受験勉強46
 離婚72 妊娠44
 夫婦の別居67 顧客との人間関係44
 会社を変わる64 仕事のペースが変わった44
 自分の病気や怪我62 定年退職44
 多忙による心身の過労62 部下とのトラブル43
 300万円以上の借金をした61 仕事に打ち込む43
 仕事上のミス61 住宅環境の大きな変化42
 独立・起業する61 職場の人数が減る42
 単身赴任60 社会活動の大きな変化42
 左遷60 職場のOA化42
 家族の健康や行動の大きな変化59 家族構成の変化41
 会社の立て直し59 子どもが新しい学校へ変わる41
 友人の死59 法律違反(軽度)41
 会社が吸収合併される59 同僚の昇進・昇格40
 収入の減少58 技術革新の進歩40
 人事異動58 仕事のペース、活動が増えた40
 労働条件の大きな変化55 自分の昇進・昇格40
 配置転換54 妻(夫)が仕事を辞める40
 同僚との人間関係53 仕事の予算不足38
 法律的トラブル52 自己の習慣の変化38
 300万円以下の借金をした51 個人的成功38
 上司とのトラブル51 妻(夫)が仕事を始める38
 抜てきに伴う配置転換51 食習慣の大きな変化37
 息子や娘が家を離れる50 レクリエーションが減った37
 結婚50 仕事の予算の充実35
 性的問題・障害49 長期休暇35
 夫婦げんか48 職場の人が増える32
 家族が増える47 レクリエーションの増加28
 睡眠習慣の大きな変化47 収入の増加25
 同僚とのトラブル47

 

1年間に経験したイベント(出来事)を合計します。
時間は途切れることなく流れていくので、どこを切り取るかによって点数は変わってきますね。

私は人生でもっとも大変だった時期、2015年2月中旬からの1年間でチェックをしてみました。
三女妊娠中に安静生活となってから、手術を終えて退院してくるまでのことです。

 

合計点の目安

  • 260点以上:ストレスが多い要注意の段階
  • 300点以上:病気を引き起こす可能性があるほどストレスがたまっている可能性がある段階

 

私のストレスチェックの結果

  • 親族の死:叔父・義祖母 73点
  • 自分の病気や怪我:妊娠初期から安静生活 62点
  • 多忙による心身の疲労:面会生活 62点
  • 家族が増える:三女誕生 47点
  • 妊娠:三女妊娠 44点
  • 社会活動の大きな変化:まったく外出できない 42点
  • 食習慣の大きな変化:家事ができない期間、付き添い入院中 37点
  • 家族の行動や健康の大きな変化:三女の疾患 59点
  • 300万円以下の借金をした:(夫にされた) 51点
  • 睡眠習慣の大きな変化:慢性的な不眠 47点
  • 妻が仕事を辞める:内職 40点

 

ざっくりとチェックしたところ、このくらい。
該当するか迷った箇所もいくつかありましたが、すべて入れると合計は564点でした。
多少減ったところで、300点というボーダーを大きく上回っています。

有職者の場合は、勤務先での人間関係や仕事内容によっては、あっという間に300点は超えてしまいますね。

番組サイトには対処法として、「コーピング」と「マインドフルネス」について書かれていました。

  • コーピング:自分のストレスを客観的に観察し、それに見合った自分なりの対策をすること
  • マインドフルネス:今現在起こっていることに注意を向けて、現実をあるがままに受け入れていくことなど

 

詳細は第2回の番組サイトをご覧下さい。

家族が抱えるストレスについて考えた

最初はほんの興味本位、軽い気持ちでやってみたんです。
結果を見て「ここまでの点数になるんだ」と知った時、過ごしてきた時間に対して恐怖がわいてきました。

今はとても穏やかな生活をしていますが、日頃強く感じることはなくても潜在的に大きなストレスを抱えていることには気づいています。

 

日々の生活で感じるストレス

ライフイベントストレスチェックは、あくまでも「1年間に経験したイベント」なんですよね。
時間は途切れることなく流れていくので、特に私に関していえば三女のことはずっと継続しているんです。

機能的修復術であるフォンタン手術(TCPC)を終えた今、服薬と定期健診以外は元気な子(=健常児)と変わらない生活をしています。
ですが、私の頭から「三女が生まれつきの心臓病で障害があること」は消える日など来ません。

手足の冷え、脱水、体調の急変、出血を伴うケガ、「子どもの命を守る責任や恐怖」は間違いなく通常の育児以上です。
感染症が気になるので外出は控えて、誰にも会わず、誰とも話さずに過ごす時間。

医療的ケア児ならば、目を離すことがままならない場合もあるでしょう。
病院から放り出されたあと、社会に受け入れてもらえる場所もサポートもないまま、閉塞感や孤独感を持ったまま過ごしている人たちもたくさんいます。

「この先どうなるんだろう」という思考は、決して希望的なものではありませんよね。

 

私たちは支え合うことができる

「子どもの入院時に24時間の付き添いが義務づけられること」の是非が、常々問われています。
子どもの安全面や精神面への配慮という側面が大きいですね。

病気・ケガなどで、お子さんの入院を経験した方は多いでしょう。
体調の悪い子どもをずっと見続けること、自宅を離れた生活、栄養バランスなど考えられない食事、ひとりになれない、眠れない。

たった数日のことでも、大きなストレスになります。

重度の疾患だった場合には、それが無期限で続きます。
完全看護の医療機関もありますが、小さな子どもの闘病に精神的な支えとして親の役割は大きく、年単位で頑張ることだってあります。

仮に「回復する」とわかっているなら、多少気持ちも楽になるでしょうか。
もしもそのめども立たない、見込みもない場合には?命に関わる時間を過ごしていたらと考えてみてください。
そんな時に感じるストレスが、いったいどれほどのものか。

 

親だからこそ逃げたい気持ちもある

「親なんだから」「親のくせに」と、親という単語に勝手なイメージを貼りつけて心無い言葉を浴びせかける人がいます。
発したご自身が、その気持ちでお子さんと向き合われるのは結構です。
他の誰かに押し付けることなく、お好きにどうぞ。

私たちは傍目にとても強い親に見えているのかもしれませんが、決してそんなことはないんです。
こみ上げてくる涙も、逃げ出したい気持ちも、必死で抑えて踏ん張り続けている人たちがたくさんいます。

我が子のことだから、ずっと見ていたい。
我が子のことだから、全部知りたい。
でも親だからこそ、見たくない。
親だからこそ、知りたくない。
逃げたくても逃げられない、誰にも助けを求められない。

 

例えばお子さんが高熱で苦しんでいる姿を、痛がって泣いている姿を見て「変わってやりたい」「かわいそうで見ていられない」と。
そんなふうに多くの親が感じるのではないでしょうか。

根っこにあるのは同じ気持ち、それを知っていて「親なんだから」は到底言えません。

 

誰でも寄り添いの種は持っている

同じ病児の親として、具体的な話をして共有できる想いがあります。
障害児の親として、励まし合うことができます。
子を持つ親として、一緒に泣くことができます。
人として、優しさを向けることができます。

共通点なんていくらだって探せるんです。

けれど共感が強くなると、冷静に寄り添うことが難しくなります。
障害児の親だからこそ掛けられる言葉がある代わりに、障害児の親だからこそ掛けられない言葉があります。

励ましてほしい人、泣かせてほしい人、笑ってほしい人、ただ聞いてほしい人、いろんな人たちがいます。
そこに心を向けて、できる形で寄り添ってくれたなら、私たちはほんの少しでも孤独から解放されるんです。

最後にまとめ

仕事のことならば「イヤなことはさっさとやめよう」「楽しいことをしよう」とも言えます。
減らしていけるものは、とことん減らして楽になりたいですね。

ただし障害児の親に同じことは言えません。

直接手を差し伸べることはできなくてもいいんです。
ほんの少しの優しさが集まることで、私たちは大きなサポートの力を感じています。

何て言葉をかけていいのかわかないこと、あると思います。
それも私たちの受け取り方ひとつなので、気にせず「頑張って」「いつも見てるよ」「ちゃんと食べてね」と、何気ない言葉で構わないので声をかけてください。

SNSなら「応援してるよー!」の気持ちを込めて、「いいね」してくれたらそれだけでも励まされるんです。

親が倒れるわけにはいきません。
無理を重ねても、まだまだ踏ん張り続けなければいけない人たちに、温かい想いが届きますように。
願わくばストレスを減らせるようなサポートが、1日も早く整いますように。

ABOUT ME
むっちー
三姉妹シングル母さん@北海道。 貝柱2年目(not 大黒柱、まだまだ頼りない世帯主) 直感で動くタイプのくせに、現実を見過ぎて足が止まるのはトシのせいか。 子どもたちは中学生・小学生・幼稚園児、毎日が体力勝負だけれど笑顔で楽しむスタイル。