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出産費用の比較|出産育児一時金と自己負担額・制度の変化まとめ

 

過去に一度だけ、医療費控除の申請をしたことがあります。

長女を出産した年のこと、医療費の合計は43万8850円でした。
出産育児一時金は当時30万円で、それを差引しても10万円を超えたんですね。

いくら戻ってくるのかと楽しみにしていた還付金、たったの3450円。
手間も時間もかかる割には戻ってこないものです。

長女を出産した頃には、「産むだけ」でも随分とお金がかかる印象でした。
ところが現在は自治体からの助成も充実していて、出産だけならば家計に大きく負担はかからないことになっています。

そんなわけで、過去の記録から三姉妹の出産費用を比較してみることにしました。
3人とも札幌市内での出産のため、出産当時の札幌市での助成をもとに比較していきますね。

三姉妹の出産までの費用を比較してみよう

  • 長女:2004年生まれ
  • 次女:2008年生まれ
  • 三女:2015年生まれ

 

出産育児一時金と妊婦健診の助成券の違い

長女と次女は2歳差ですが、その2年間でも助成内容は違います。
出産育児一時金は健康保険からの給付になります。

  • 出産育児一時金:30万円→35万円
  • 妊婦健診の助成券:1枚→5枚

 

些細な違いに見えますが、実際に支払ってみるとその違いはわかります。
随分と手厚くなったものだと感じました。

次女と三女は7歳差なので、助成や制度の変更点は多いです。

  • 出産育児一時金:35万円→42万円
  • 妊婦健診の助成券:5枚→13枚

 

出産費用に関しては直接支払制度が導入されていて、とても便利だと感じました。

>>>子どもが生まれたとき(出産育児一時金)|札幌市

 

次女の時には貸付制度を利用、社会保険事務所で手続きをしました。
当時1歳の長女を連れての手続きは待ち時間も長く、妊娠後期の体では少々大変だったことを覚えています。

この制度があれば必要ありませんよね。

定期健診に通った回数の違い

費用面の違いは、妊娠経過によっても大きく左右されますね。

順調な妊娠経過であれば定期健診と、予防的に処方されるおなかの張り止めで十分です。
長女と次女の時には、毎日2~3時間のお散歩ができるほどでした。

一方の三女はとにかく不安定な経過で、原因は生まれつきの心臓病の影響だろうと言われています。

12週から強い張りを感じ子宮頸管も短い時期がありました。
出産前日までずっと張り止めを飲み続ける生活は、精神的にもつらいものでした。

実家が遠方で頼れる人のいない夫婦でした。

祖父母の介護や仕事など両親にも自分たちの生活があります。
いくら孫の命に関わるとはいえ、それを放り投げて助けて欲しいなどと言えるはずもなく、私が入院するわけにはいきませんでした。

それを精神的に支えてくれたのは、産婦人科の主治医の言葉です。

自分の体のことはお母さんが一番よくわかってるでしょ?
薬はギリギリの量まで飲んでもいいし、心配なら毎日通っておいで!
無理のない範囲で動いて大丈夫だからね。

 

順調だった場合の妊婦健診の回数

  • 4~6ヶ月まで:4週ごと
  • 7~9ヶ月まで:2週ごと
  • 臨月:毎週

 

先ほどの表のとおりなのですが、三女の時には妊娠初期から出産直前まで2週ごとに通院していました。
当然ですがその分費用負担は多くなりましたし、薬代もそれなりにかかりました。

長女と次女を出産した病院は院内処方だったので、薬代の記録は残していません。

出産方法の違いと出産費用総額

長女と次女は、同じ個人病院での経膣分娩でした。

三女は別の個人病院から、総合病院へと転院になりました。
当初は経腟分娩の予定でしたが、死産の確率が高くなったことから緊急帝王切開に切り替わっています。

  • 長女:36万円
  • 次女:35万円+2万円(時間外)
  • 三女:41万8201円

 

長女の時には明瞭会計だった病院が、出産育児一時金や助成が手厚くなったことで分娩費を値上げしていました。
次女の時にも出産の条件が同じであれば、経産婦の方が安くなるはずだったんです。

三女の心臓病がなく個人病院で経腟分娩をしていた場合には、30万円台で納まると知っていただけに、転院して管理入院になった当初は正直ショックもありました。
「管理入院分の費用もあるのに、支払いできるだろうか」と。

入院翌日の緊急帝王切開だったので助かりました。
落ち着いて考えてみると、医療保険や健康保険限度額適用認定証(高額療養費制度)もあるので、実際にはどうにかなるものですよね。

国民健康保険中央会の統計情報「出産費用の都道府県別平均値、中央値(様式5)」より。
三女の生まれた平成27年度の出産費用を見てみると、正常分娩分の平均的な出産費用は北海道で43万7127円となっています。

全国平均になると49万9615円なので、地域によって差はあります。

金銭面の負担はどのくらい減っている?

単純に合計金額を比較する意味はないので、まず出産育児一時金を引きます。
そして仮に「妊婦健診のみで済んだ場合」として、三女は12週以降の定期健診外の診療代と薬代を引きます。
(先ほどの表の右側になります)

  • 長女:13万7230円
  • 次女:7万6950円
  • 三女:5万0302円→1万5182円

 

1ヶ月の早産だったのでその分がかかっていないとはいえ、妊婦健診だけで済んだと仮定すると、かなり安く抑えられることがわかります。
長女と次女の時には「1回5000円」を目安にしていたので、1回の妊婦健診で支払いが1000円未満というのは安いですよね。

帝王切開は保険適用内

入院が長くなる予定だったので、「健康保険限度額適用認定証」の申請をしていました。
分娩費は直接支払制度を利用していますし、退院時に支払ったのは三女の入院費(病衣など)2601円のみです。

領収書から見る自己負担額

  • 7月:8万1366円
  • 8月:8万1397円

 

入院は7月30日~8月6日。
通常入院が月をまたぐと上限額を超えず損をすることがあると聞きますが、私の場合は7月末日の出産だったことが幸いしたようです。

私たちの手で直接支払っていないのに、還付金を受け取れることは不思議でありがたいものでした。

支払われた還付金

  • 9月:5万6000円
  • 10月:5万6000円
  • 11月:1万1799円

 

所得から算出すると、1224円と1254円のはずでした。
なぜこんなにも支払われるのかと、領収書や明細書を引っ張り出してにらめっこしてわかったのが組合独自の付加給付の存在でした。

元夫の勤務先は自社の健保組合で、上限(2万5000円)を超えた金額を給付してくれる制度があったのです。

そしてありがたいことに出産の付加給付も被保険者に10万円、被扶養者に1万円支給のようです。
そしてさらに、医療保険の入院・手術給付金が22万円支払われました。

還付金の使い道

還付や給付で受け取った金額は、計34万3799円です。
出産までにかかった費用をカバーしてもゆとりのある金額ですが、三女が退院して自宅に戻ってくるまでに想像以上の支出がありました。

  • 総合病院での入院費・診断書:3万3806円
  • 入院中に必要なもの、付き添い中に必要なもの、退院に向けて必要なもの:7万9756円
  • MCTミルク:5万3572円
  • 面会交通費(概算):7万5000円
  • 付き添い中の食事代(概算):3万円
  • 長女・次女の学童保育への支払い:1万円

 

控えのあったものだけで、28万円を超えています。
入院中の医療費自体はほぼかかりませんが、自宅で育児をしているのと同じように必要なものもたくさんあるんです。

大学病院のNICUでは超低温で冷凍保存をするため、母乳バッグはメーカー指定でした。

 

NICUを出てICUへ入ってからはオムツ代がかかり始めました。
小児科病棟では、オムツはもちろん、ボディソープ・哺乳瓶の消毒に使う道具一式・洗剤・ブラシ・ガーゼ・ミトン・靴下など、一般的に必要なものをそろえました。

循環器外科ではベッドメリーの貸し出しはなく、各自持ち込みでした。
バスタオル、抱っこ紐、医療用テープなども各自売店で購入。

退院が近づいて来れば、自宅で過ごせるように肌着や服を買うところから始めました。
調乳用のポット・ベビーカー・バンボ・そして治療用ミルクの買い込みもしました。

 

そして交通費です。
平日は交通機関を利用して向かうため往復で1000円弱、それを週に3~4日、4ヶ月以上支払いました。
いつまで続くかわからないので定期の購入はしませんでした。

週末に家族4人で面会に行くと駐車料金も1ヶ月3500円ほどかかりましたし、もちろんガソリン代も必要でした。

当時を振り返ってみて

子どもに限らず、病気やけがで家族が闘病することは珍しくありませんね。
面会に通う生活も長く続けば疲れますし、満足に食事の準備ができない日だってあります。
帰りが遅くなればおなかも空くので買い食いをしたり、お総菜で済ませたり、外食をする日もあります。

我が家に関していえば、頑張っている長女と次女をレジャーに連れていったり、ゲームを購入することもありました。
「家族が闘病しているから娯楽はNG」なんてことはありません。

大きなストレスがかかっている心のケアのために、必要経費と考えていいのではないでしょうか?

決して贅沢のつもりはありません。
ですが、こういう生活が続くと使ってしまうものなんです。

忙しい時間の中では、「何にいくら使っているか」も把握できなくなります。
ゆっくりと家計簿をつけるような気持ちにはなりませんし、節約にも気が回りません。
そんなものは、心のゆとりがあってこそやる気になるものなんですよね。

妊娠中に産まれてくる命と向き合うことも、流産を経験した私にはとても大変なことでした。
そしてそれ以上に、「死に際にいる命と向き合う」「我が子の闘病を見届ける」のは苦しいことでした。

お金の心配をしなくてよかった、という点では本当によかったです。
それは三女に支給されている特別児童扶養手当・障害児福祉手当、身体障害者手帳を取得していることで受けられる助成もそうです。

経験してみないとわからない制度がたくさんあります。
私たちは知らずそういうものに支えられているんですよね。

「産む」と「育てる」こと

長女が産まれた2006年、児童手当は1ヶ月5000円でした。
数ヶ月後には1万円に引き上げとなり、こども手当の1万3000円を経て現在の1万円になっています。

そして支給期間も、当時は小学校卒業までだったので今よりも短かったです。
今は中学校卒業までに延びましたね。

「札幌市こども医療費受給者証」も4歳未満までだったのが、小学校入学前の3月末日までになり。
さらに札幌市では2019年4月から小2、2020年4月からは小3、2021年4月からは小4~小6も3月末日まで対象になります。

予防接種も大きく変わったもののひとつです。
ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンは、次女が産まれてほどなくして出てきたものです。
知らぬ間に三種混合が四種混合になり、ポリオが生ワクチンはなくなりました。

水疱瘡も定期接種になり、ロタウイルスも予防接種があります。
北海道では接種する必要のなかった日本脳炎も、定期接種になりました。

「産む」も「育てる」も、少しずつ変わってきています。
特に「産む」に関しては金銭面のハードルは大きく下がっていますが、制度として外枠だけできても仕方がないんです。

実際に生活していると、手当や助成が手厚くなることはもちろん嬉しいです。

ただそれは「産んでしまえば何とかなるよね」ではありません。
やはり産めば産むほどに大変になります。

私は詳しくないのですが、待機児童のこと、男性の育休取得のこともそう
目につきやすい問題でさえ、なかなか先に進んで行かず山積しているのが現状です。

まだまだ制度には肉付けが必要ではないでしょうか。
そして、それはいったいいつになるのでしょう?

10年20年、これから先の日本の「育てる」事情がよりよきものとなりますように。

ABOUT ME
むっちー
三姉妹シングル母さん@北海道。 貝柱2年目(not 大黒柱、まだまだ頼りない世帯主) 直感で動くタイプのくせに、現実を見過ぎて足が止まるのはトシのせいか。 子どもたちは中学生・小学生・幼稚園児、毎日が体力勝負だけれど笑顔で楽しむスタイル。