いろんなこと

サンタクロースがやってきた!そして小さな子どもの夢をぶち壊して帰っていった

 

あなたは、何歳までサンタクロースを信じていましたか。
そしてあなたに小さなお子さんがいらっしゃるとしたら、どんな方法でサンタクロースを信じさせようと考えますか?

私自身はサンタクロースの来ない家庭で育ちました。
「サンタクロースはフィンランドという国にいて、私には会いに来ない」と、信じているとかいないとかいう話ではなく、ただそう思っていたんです。

ところが不思議なことに、我が家にサンタクロースがやってきたことがありました。
当時私は6歳、昭和60年のことです。

サンタクロースがやってきた日のこと

ジングルベルの代わりに玄関の呼び鈴が鳴る

クリスマスの夜のことです。
玄関からまっすぐ奥の和室で2つ下の妹と遊んでいると、「ちょっとおいで!」と私たちを呼ぶ母の声が聞こえました。
ふすまの影からひょっこりと顔を出す、妹と私。

当時の住居は、長屋のおんぼろ社宅。
狭い玄関にぼんやりとした照明、そして見知らぬ人影がありました。
あまりにも不審で近寄らずに観察していると、どうやらサンタクロースの服を着ているようでした。

ただ、何かがおかしい。
私の記憶にある「サンタクロースのイメージ」に、いまいちハマらないんです。

<私が持っていたサンタクロースのイメージ>

  • おじいさん
  • 恰幅がいい・太っている
  • もふもふの白いひげ
  • 声が大きい
  • 陽気
  • 英語を話す

 

ところが、見知らぬ人影はこうでした。

<実際に見たサンタクロースもどき>

  • お兄さん
  • ひょろっとした痩せ型
  • ひげのボリュームが足りない
  • 声が小さい
  • テンション低め
  • ボソボソと日本語を話す

 

そもそもサンタクロースは寝静まった夜に煙突から入ってくるはずなのに、子どもが起きている時間に玄関から入ってくる時点でおかしい。
そして、一番の違和感は手に持っている袋でした。

黒い袋持ってるぅぅぅー((;OдO))!!

 

6歳児の私、たくさん考えました。

あの袋の中には何が入っているんだろう、プレゼントかな?
それにしては小さいよね。
もしかしたら「カマスのおじさん」かもしれない。

カマスは「大きなずたぶくろ」のこと。
親の言うことを聞かない子どもを、その中に入れて連れていく……という日本各地にありそうな話の北海道版ですね。

ねば~る君でいうところのよあそびおばけ、ジュクシンブシャーに連れていかれるんですよ(笑)

受け取ったプレゼントと信じられないひとこと

母にうながされるままに玄関に行き。
ボソボソと小さな声で「メリークリスマス」と言うサンタクロースもどきから、妹と私はプレゼントを受け取りました。
何をもらったのかはまったく覚えていません。

警戒心がまったくとけない私、チラチラとサンタクロースもどきの様子を伺いながらプレゼントを持って奥の部屋へと戻りました。

ところが!です。
そんな私の耳に入ったのは、子どもには何があっても絶対に聞かせてはいけないひとことでした。

「あの、お金は……」

声をひそめてはいましたが、私にはハッキリと聞こえました。

サンタクロースがお金の話してる!!!
ニセモノだ!!!
あの人サンタクロースじゃない!!!

 

結局あれがいったい何だったのか、当時はあまりのショックと恐怖で確認することができませんでした。
というより、話題にしてはいけない空気が流れていました。

サンタクロースはいないんだ

当時父方のいとこの部屋には、英語で書かれたサンタクロースからの手紙が貼ってありました。
羨ましいけれど、両親に伝えたところで「よそはよそ」と言われるだけ。
わざわざ傷つくくらいなら、蓋をしてしまった方が苦しくならずに済みます。

私は遊びに行くたびにそれを眺めながら、いつも言い聞かせていたんです。

 

サンタクロースはフィンランドという国にいて、私には会いに来ない。

 

実際にサンタクロースはいますが、あの言葉は現実的な話ではなく。
ただ、自分の心を守るためのものでした。
こんな形で夢をぶち壊されて、初めて「信じていた」のだと気づかされたんですよね。

黒い袋を持ったサンタクロースの正体

サンタクロースもどきのことを母に聞いた

あれから30年以上が過ぎました。
恐らく次女を出産したあとだったと記憶していますが、ふと母に聞いたことがありました。

むっちー
むっちー
そういえばさ、6歳の時に玄関から入ってきたサンタクロースって何だったの?

 

そこで母から聞いたのは、とんでもない事実でした。

  • 地元のおもちゃ屋で買ったこと
  • クリスマス当日の配達をお願いしたこと
  • 黒い袋は集金用のセカンドバッグだったこと

 

集金用のセカンドバッグを持ったサンタクロース。
シャレになりませんよね。

この話を聞いた頃、母は怒ってもいましたがとにかく残念がっていました。
親の立場になり、当時の母の気持ちを考えると悔しくて仕方なかっただろうと思います。
なんてことをしてくれたんだと。

そして自分たちが余計なことをしなければ、子どもを傷つけることもなかったと。
夢を壊されたのは母も一緒だったんです。

子どもたちの夢を守るために

サンタクロースはみんな、子どもたちの夢を背負っています。

正体がバレないように、願いを叶えてあげられるように、それとなくリサーチしてバレないように入念に準備をして。
当日、子どもたちの笑顔が見たくて頑張るんです。

もう数年前のことになりますが、子どもたちがいない時間帯をねらってプレゼントを配達してもらったことがありました。
繁忙期ですから、時間指定からズレてしまうのは仕方のないことです。
間に合わない場合も想定して、ごまかす言葉も考えておきました。

その時も少しだけ過ぎてしまったんですが、胸をなでおろす私に宅急便の配達員は言ってくれました。

配達員
配達員
プレゼントだと思いました、間に合ってよかったです!

 

サンタクロース業は、今も昔も変わらずビッグイベントです。
上からものをいうわけではありませんが、仕事に真摯に向き合っていたら少なくともサンタクロースの衣装を着て集金バッグは持ち込まないはず。

あのおもちゃ屋は田舎の個人商店でした。
サンタクロースもどきはアルバイトだったのかもしれませんが、仮にそうだとして絶対にあってはいけないミスですよね。

サンタクロース仲間たちへ

我が家がサンタクロース制を廃止したのは、長女小3・次女小1の年。
三女が生まれてそれどころではなくなってしまった、というのが正直なところです。
出費がかさんで生活も苦しい時期でした。

勝手に始めて、勝手に終わる、かわいそうなことをしたと思います。

むっちー
むっちー
世界中の子どもたちにプレゼントを渡すのは大変なんだよ。
もっと小さなお友達のところに行くために、サンタさんの代わりにお父ちゃんお母ちゃんからプレゼントにしよう。

 

あれから4年が経ちました。
幼稚園に通い始めて、ついにサンタクロースの存在を知ってしまった三女。
一緒に作ったクリスマスツリーを喜んでくれて、プレゼントがもらえる日を指折り数えて待っています。

>>>【三女】フォンタン循環3年目/クリスマスツリーを作ってみよう。

 

今年はお姉さんになった2人と、サンタクロース業を復活させます。
また夢を背負うことにしました。

これからビッグイベントに向かう同志たちの成功を祈っています。
たくさんの子どもたちが、笑顔いっぱいの楽しいクリスマスになりますように。

ABOUT ME
むっちー
三姉妹シングル母さん@北海道。 貝柱2年目(not 大黒柱、まだまだ頼りない世帯主) 直感で動くタイプのくせに、現実を見過ぎて足が止まるのはトシのせいか。 子どもたちは中学生・小学生・幼稚園児、毎日が体力勝負だけれど笑顔で楽しむスタイル。