いろんなこと

夫の言動が妻の心を壊していく「産後クライシス」とは

 

産後クライシスのきっかけは、たったひとこと。

こっちは仕事してるんだから、ちょっと考えてくれない?

 

私の心に残った傷は元夫につけられたものです。

夫婦関係に大きな亀裂の入ったできごとがありました。

 

私の産後クライシスと夫婦関係の変化

まず、次の光景を自分に置き換えてイメージしてください。

あなたは新米ママです。

待ちに待った赤ちゃんの誕生から、数日が経ちました。

 

泣けばオムツを替えて、授乳して、抱っこして。

まとまった睡眠は取れなくても、かわいい我が子の姿を見るだけでやる気が満ちてきます。

それでも、日を重ねるごとに少しずつ疲れは感じるもの。

絶え間なく続く赤ちゃんのお世話に、気づかないうちにストレスは溜まっていくものです。

 

いくら子どもが生まれたといっても、入院から退院までずっと休むことができない旦那さんは出勤しています。

役所に出生届を提出したり、会社で健康保険などの手続きをしたり、必要なこともあるので仕方ないけれど。

今日は、誰も面会に来てくれません。

 

何となく心細さを抱えたまま過ごした日の夕方、赤ちゃんが泣きやまなくなりました。

できることは全部やってみたけれど、グズグズとしたまま落ち着きません。

初めてのことでどうしていいかわからず、赤ちゃんを抱いたまま、部屋中をウロウロと歩き回ることしかできませんでした。

 

そんな時に電話が鳴りました、旦那さんです。

「子どもの手続きのことで確認したいことがある」と言われて話していると、腕の中にいる赤ちゃんが泣いてしまいました。

 

すると旦那さんからひとこと。

「○○○○○○○○○○」

 

皆さんは、どんな言葉が思い浮かびましたか?

  • 泣いてるけど大丈夫?
  • ごめんね、電話で起こしちゃった?
  • 今日の様子はどうだった?
  • 泣き声もかわいいね

 

ママを心配する言葉、赤ちゃんの様子をうかがう言葉、泣き声さえかわいいとメロメロの言葉、いろいろあると思います。

そしてもしも逆の立場だったら、どんな言葉を掛けたいと思ったでしょうか。

 

産後クライシスを知っていますか

産後クライシスとは

出産や育児により、良好な夫婦関係が築けなくなり、最悪の場合離婚にまで至ってしまう現象のこと。

これまで「産後ブルー」「育児ノイローゼ」といった言葉で、おもに母親側の視点からとらえられていたものを、2012年9月5日に放映されたNHKの「あさイチ」で夫婦関係・社会現象としてとらえなおし、産後クライシスとの名称で位置づけた。

 

引用:コトバンクより

 

産後2年以内に、夫婦仲が急速に冷え込む状況をいいます。

厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告(旧名称:全国母子世帯等調査結果報告)」よると、子ども(末子)が0~2歳の間に離婚に至った割合は、母子家庭で38.4%。

4割近い数字になるんです。

 

産後クライシスの原因

それまでずっと仲の良かった夫婦が、「出産」というイベントをきっかけに、すれ違い溝を作り、最悪の場合は離婚へと至ってしまいます。

その背景にはいろいろな原因があるようです。

 

ホルモンバランスの急激な変化

妊娠中に大量分泌されていた「エストロゲン」「プロゲステロン」が、産後一気に減少することでホルモンバランスが乱れます。

  • 身体面:抜け毛・白髪、皮膚の痒み
  • 精神面:イライラ、涙もろくなる  ……など

 

産後うつも「プロゲステロン」の減少からくるものです。

ホルモンバランスの乱れは、頭で理解することで多少コントロールできる場合もあります。

けれど産褥期の場合は特に難しく、本当に些細なことでコントロール不能になり、振り回されてしまうんです。

 

産後ではなくても、女性はホルモンバランスの乱れで心身の調子を崩すことがあります。

 

産後の体調不良

  • 出産でのダメージ
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 睡眠不足
  • 育児での身体的負担(腕、腰・背中などの痛み)  ……など

 

産褥期は赤ちゃんのお世話以外のことは極力避け、できるだけゆっくりと体を休めるのが一番です。

しかし事情によっては、それがままならない場合もあります。

 

退院後からすぐに家事に復帰すると、育児の合間で行わなければならず、完全に不眠不休になってしまいます。

それが原因で母乳の分泌が悪くなったり、悪露が長引いたりもします。

出産後に体質が変わってしまうこともあるでしょう。

 

ライフスタイルの変化

赤ちゃん中心の生活になること

赤ちゃんのお世話に追われ、自分のことどころか、家事もままならない生活になります。

自分のペースで生活できないストレスは、想像を絶するものです。

食事もトイレも子どものペース、それが何年も続きます。

 

孤独感

1ヶ月児健診が終わる前の外出は、極力控えた方がいいと言われています。

赤ちゃんに付きっきりの生活では外出もままならず、社会から1人取り残されてしまったような寂しさがあります。

 

家事・育児の負担

里帰り、ご実家が近い場合なら通いでもOK。

親御さん(もしくは兄弟姉妹・親戚)との関係性にもよりますが、サポートを受けられると心強いですよね。

家事代行などのサービスを受けてもいいと思います。

パートナーが育児休暇を取得できるとしたら、それは本当に素晴らしいことです。

 

しかし実際そううまくは回りません。

表向きのサポートが整っていても、それですべての不安や不満が解消されるわけでもありません。

妻が求めていることに夫が応えられない、夫がやってあげたいと思うことを妻に受け取ってもらえない、そんな場合もあると思います。

 

「親としての実感」がわいてくる時期も、それぞれ違うでしょう。

女性だから出産すれば母親になれる!と考えるのはとても安易、性別など関係ありませんし、男性だって自覚はできなくても覚悟はできます。

そこで、サポートが受けられるのならいいです。

受けられない場合に、妻がそれをひとりで請け負ったと考えてください……出産は交通事故にあったと考えていいほどに体がダメージを受けています。

心身ともに負担が大きい中で続けていくんです。

 

夫の家事・育児不参加

それでも上記のように、積極的に参加する意思があれば、夫婦間のコミニュケーションで解消されることもあります。

時間とともに慣れてくれば、少しずつ痒いところに手が届くようになるものです。

求める側の妻も、夫に完璧を強いることは諦めなければいけません。

 

けれど、そもそも参加の意思がない場合。

夫は家から一歩出てしまえば、今までと変わらない生活が待っています。

社会人としての立場がある、家族を養うため、そんなことはわかっていても妻から見た夫の姿は「解放された時間」「自由な時間」です。

心身ともに余裕のない状態で、そこから自分への理解を汲むことができますか?

夫からの愛情を感じられるでしょうか。

 

細かなことをあげればキリがありません。

そうでなくても、「子どもを守る!」という母性本能が優位な状態ですから、夫に対して嫌悪感の出やすい時期でもあります。

 

こういうものが積み重なって、本当に小さなすれ違いが埋められないまま、特に妻から夫への愛情が極端に失われてしまうんです。

男性側からすれば「妻が変わってしまった」と思うのかもしれません。

ですが、母となることはたやすいことではないのです。

 

実際に経験した産後クライシス

長女を出産したのは、2006年。

当時は「産後クライシス」はもちろん、「イクメン」という言葉もありませんでした。

男性の育児休暇がメディアに取り上げられることもなく、男性は外に出て働き、女性が家庭を守るというスタイルが今よりずっと強かったと思います。

 

元夫の言葉

冒頭の言葉は、長女が生後4日目に言われた……いえ、浴びせられたという表現がピッタリです。

電話の向こうで元夫が言いました。

こっちは仕事してるんだから、ちょっと考えてくれない?

 

私は一瞬、何を言われたのか理解できませんでした。

ただ「ごめんなさい」と謝って電話を切りましたが、ショックを感じる間もなく、ポロポロと涙がこぼれてきます。

しばらくして元夫から謝罪のメールが入りましたが、私の心には届きません。

 

パートナーにかける言葉として、いうまでもなく最低です。

「私がどんな気持ちになるか」など、一切考えていないことがわかりますね。

 

退院後の元夫は最低限の協力はしてくれました。

最初の2~3ヶ月は少しだけ早く帰ってきて沐浴も手伝ってくれましたし、食器洗いなどの家事もしてくれました。

けれどその「最低限」が終わると、自室に閉じこもってオンラインゲームです。

僕がいても何もできないから、何かあったら呼んで。

 

昼夜逆転の酷かった長女、日付が変わって2時半~4時まで眠らず布団に置くと起きてしまう子でした。

何時間も抱っこし続け、やっと眠ったところでソファへ下します。

私はソファの隙間か床で毛布にくるまって、数時間の仮眠を取りました。

 

何時に寝ようと朝7時には起きて、洗濯とお弁当作りをしました。

元夫を送り出してからは残りの家事を済ませて、それでも長女が眠っていたらまた少し仮眠を取ります。

こんな生活が数ヶ月続きました。

 

元夫を拒絶する心

元夫の自分勝手な姿に、私の心は段々と閉じていきました。

「最初から誰かに頼るつもりで出産するなんて、親の自覚のない人間のすることだ」と、無駄に自分を鼓舞して必死になってやっていました。

元夫からはこうも言われていました。

子どもは産んだ女性が育てるのが一番いいだろうから、それができない男は外で働いて家族を養えばいい。

 

間違ってはいないでしょう、私も当時は納得しました。

ただしこの言葉、見方を変えれば「協力しない」と言っているようなものです。

都合のいい言い訳に聞こえてしまいませんか?

 

夫の言葉には心がありません。

私や子供たちが不満を口にすると「そんなこと言ったってどうしようもないでしょ!」と、気持ちを汲むことをしません。

面倒事には関わりたくないんでしょうね。

そしてしまいにはギャンブルへとのめり込んで、家のお金を使い込み、両親にもさんざん迷惑をかけました。

 

産後クライシスだと気づいたきっかけ

私の育児スタイルが大きく変わったのは、流産がきっかけでした。

あまりにもつらくて心が崩れてしまい、そこから立ち直る過程の中で目にしたのが「産後クライシス」という言葉です。

流産から半年ほど経っていました。

 

わかった時にはホッとしました。

同じように苦しんでいる女性が世の中にはたくさんいる、そこからは少しずつ立ち直っていくことができました。

自分との向き合い方、そして子どもたちとの向き合い方を、ひとつひとつ考え直しました。

 

ただし残念なことに、私が変わっていくことは「元夫との溝がますます深くなっていくこと」でもありました。

この頃から、考え方にズレが生じてきたのを感じています。

 

離婚を考え続けていた

2度目にギャンブルが発覚したあと、私には離婚の意思がありました。

口には出していませんが、その後授かった三女が無事に産まれて私も働けるようになったら準備を始めよう、出産前にはそう思っていたんです。

三女が心臓病を持って産まれて、それが叶わないとわかった時にはショックでした。

そして自分の浅はかさに、自己嫌悪でいっぱいになりました。

 

けれど三女の誕生から半年後、元夫の3度目のギャンブルが発覚。

私はハッキリと離婚の意思表示をしましたが、義母から「三女の手術が終わるまで辛抱してほしい」と、引き止められてしまいました。

子どもたちを引き合いに出されるのはつらいです。

生活費を出し渋ったり、手元にお金があると勝手に使い込んだり、出社拒否してお給料をいただけなかったり、いろいろなことがありました。

 

元夫の頑張る姿を見られるうちは、穏やかな生活ができればいいと考えていたんです。

ただし、一度失った信用は簡単には戻りませんし、まず戻らないと考えていいでしょう。

 

ひとつの経験として伝えたいこと

私は女性の立場で経験したこと、思うことを書きました。

男性の立場での意見もたくさんあると思いますし、元夫が抱えていたストレスも私には理解できないものがたくさんあるでしょうね。

一緒に生活していると、お互い様のことがたくさんあります。

 

子育てはひとりではできません。

面倒くさがらずに、小さなことでも伝え合うのは大切なことです。

女性もひとりで抱えてしまうことなく、意地を張らずに声を上げて助けを求める必要があります。

それを受けた男性も、当事者意識を持って積極的に関わらなければいけません。

 

【追記】私たちは離婚しました

「元夫」と書いているのでおわかりかと思いますが、2018年10月に4度目の借金が発覚して離婚をしています。

子どもたちの生活、私自身の人生を守るための決断です。

 

離婚は悪いことではなく、単なるひとつの選択肢です。

両親がそろっていること、片親なこと、それが子どもにとって幸せの基準になるかはわかりません。

お互いに相手のことを考えて、子どものことを考えて、手を取り合って支え合っていきたいと思ったからこそ結婚したんです。

それが叶わないのなら、「家族」として生計をともにする必要はありませんよね。

 

元夫の無神経な言葉の数々が妻である私の心を傷つけて、最終的に子どもたちを傷つけました。

私のように傷ついてしまう女性が減りますようにと、願わずにはいられません。

ABOUT ME
むっちー
北海道の三姉妹のお母ちゃん、シンママ1年目。 直感で動くタイプのくせに、現実見過ぎて足が止まるのはトシのせいか。 子供たちは中学生・小学生・幼稚園児、毎日が体力勝負だけれど笑顔で楽しむスタイル。